大学村の家
INFORMATION
所在地 | 北海道札幌市東区北26条 |
設計期間 | 2000年12月~2001年6月 |
竣工 | 2001年12月 |
構造 | 木造2階建 |
敷地面積 | 269.67㎡ |
延床面積 | 130.83㎡ |
設備 | オール電化 24時間換気システム(ジェイペック) 土壌蓄熱式輻射床暖房(サーマスラブ) |
敷地は札幌市の中心部から北へ3kmほどの位置にあり、昔から「大学村」と呼ばれた地域である。 クライアントは40代の会社勤めのご主人と奥様、小学生二人の男の子の4人家族である。
昔の大学村は、古い三角屋根の家が並んだ閑静な街並みであった。年々三角屋根は減り、ほとんどが無落雪のフラットルーフになり、帰省するたびに街並みが味気なくなっていった。 いつの日か故郷で住宅を手掛ける機会があれば勾配屋根を掛けようとの思いがあった。 高校の同級生でもあるクライアントの要望は「快適で暖かい家」であった。
設計はいつものように「社会の最小単位の共同体としての家族が、個性的で豊かなコミュニケーションを育んでいける家」 「その家族を支える環境としての空間はどうあるべきか」と問いかけることから始まった。 雪国の冬は長く、外との関わりが遮断される。重装備なしでは外と関わることは出来ない。 この住宅では、「風雪から守られた外空間」を内に取り込むこと、内に外を創ることが企てられた。
プランの真中を貫く土間は、玄関から居間の奥まで入り込んでいる。ここはダイナミックな吹き抜け空間であり、トップライトから光が溢れる光の軸である。内でもあり外でもある。憩いの居間であり、汚しても良い作業場である。来客を靴を脱がずにもてなせる応接間である。
外観は単純な三角屋根の形を屋根から壁までガルバリウム鋼板でスッポリ包み、北海道の大自然から家人を守る強い意志をあらわした。 全館オープンな空間であるがサーマスラブの採用で厳冬でも大変に暖かく、光熱費が従来より大幅にダウンしたとクライアントから喜びの報告があった。